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■日にち 2017年2月16日(木)
■ルート 谷川岳一ノ倉沢 烏帽子沢奥壁大氷柱
■メンバー 荒澤(JECC、同人青鬼)、Tくん(MGC、同人青鬼)



2/9に烏帽子大氷柱が登られたとの話を聞き、「米子行ってる場合じゃない!」と米子パートナーTくんと意見が一致し、2/20の休暇予定をキャンセルし、平日カードを切ることにした。お互いに休めそうなのが2/16、天気予報的にも晴れ過ぎが心配なぐらいで悪くはない。これはやるしかない。

15日夜、Tくんを都内で拾って一路谷川を目指す。23時過ぎに到着し、ギア確認をして、23時40分ごろ就寝、したと思いきや1時起床(笑)。1時半出発。出だし、少しでも楽したい一心でトレースについていったら全然違うところに向かってて30分ぐらいロス。気を取り直してトレースの消えてる林道をスノーシューラッセルで4時ごろ一ノ倉沢出合到着。

一ノ倉沢内は意外と締まっていてスノーシューがほとんど沈まず、らくらくテールリッジ末端に到着。ここでスノーシューをデポ、「これならワカンもいらないでしょ」とワカンもデポ。しかし、ひと登りしてテールリッジに上がると意外と雪が深く、膝~腿ラッセル。ワカンデポしたことを少し後悔しつつ、頑張ってツボ足ラッセルして6時半ごろ中央稜取付きに到着。ここで準備を整える。

中央稜を回り込むと目の前に烏帽子大氷柱が!「繋がってる~」ニヤニヤが止まらない。「前回(先週末の昇天の氷柱)は1P目貰ってババ引いたんで、先輩からどうぞ」と譲られ、7時過ぎに荒澤リードで登攀開始。

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烏帽子大氷柱がしっかり繋がっている

1ピッチ目出だしはシュルンドを越えて壁に取付かねばならないのだが、オーバーハングした雪壁で、簡単には上がらせてくれない。上がってからも氷にトラバースしたいが悪そうなので、そのままミックス帯を直上。プロテクションは全く取れないうちに「ロープ半分」(70mロープなので35m)のコール。残置スリングがある凹角のドライセクションに向かうか、スクリューの効かなそうな氷に向かうか選択を迫られたが、残置にランナーを取ってドライセクションを直上。そのまま60mほどロープを伸ばすと変形チムニーの左の垂壁に到着。入りきらない13cmスクリュー2本とアイスフックでビレイ点を構築し、フォローのTくんを迎える。この時点で日がガンガン当たり暑いし、氷がどんどん解けていってるのが分かる。ビレイ中にも上から氷片が「ヒュン」とか「ブンっ」とか恐ろしい音をあげながら近くを落ちていく。こういうときはシャアのセリフを思い出し、心を落ち着かせる。「そうそう当たるものではない」

2ピッチ目はTくんリード。一見まともな氷だが、厚さもなくシャーベット状で、すぐに岩を叩くし、スクリューもスカスカなうえに13cmが根元まで入らない。慎重に登り、40mほどロープを伸ばしたところで「ビレイ解除」のコール。氷柱の左壁の残置ビレイ点を使用。

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2P目、変形チムニーの左の垂壁を登る

3ピッチ目は荒澤リード。初めて青っぽい「本物の氷」を目にするが、その上は相変わらずのニセモノ氷。青い氷を1段上がり、上部を見上げると意外と立ってる(あとでトポ見たらVI級ってなってた)。スクリューの効かないシャーベット氷でこれはヤバい。慎重にオブザベをして、おまじない程度のスクリューを刺したら覚悟を決めて核心に突入。いつもより慎重にアックスを決め、核心を半分ぐらいこなしたところで、アイゼンが氷を切り足ブラになりかけるが何とか持ちこたえる。しかし安心したのも束の間、氷柱から滴る水でサングラスが曇り、視界が利かない。ピンチ!スクリューは遥か足元で効いているかもわからない。一瞬、アックステンションも頭をよぎるが、この氷でアックステンションしても安全とは思えない。高橋Qちゃんよろしくサングラス投げ捨てることも考えたけど、この後の登攀がサングラスなしでは雪目になっちゃう。「大丈夫、垂壁であれば、足さえしっかり決めれば無限レストできる!」と自分に言い聞かせ、サングラスの隙間から氷の様子を確認しながら進むことを選択。水滴地帯を外れると徐々に視界も復活し、なんとか核心をフリーで突破。そのまま50mほどロープを伸ばし、残置ハーケンとナッツでビレイ点を構築。

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3P目出だし

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谷川らしからぬ青空と氷瀑

4ピッチ目はTくんリード。だいぶ傾斜は緩むけど、相変わらずシャーベットでスクリューの効かない長~い最終ピッチ。お昼が近づいてどんどん気温が上がっているため、大きな氷片交じりのスノーシャワーが落ちてくるようになる。それを警戒してTくんも深めにアックスを刺す。一発、大きなヤツが降ってきたのが見えて「ラクっ」と叫ぶと、Tくんも瞬時に反応し体を壁に寄せた。続いてビレイヤーにも向かって降ってくるのでこっちもすぐに壁にへばりついて耐える。「耐えてくれよ~」と願いながら、ロープが引かれないのでTくんの無事を感じ、シャワーが収まったところで上を向くと雪まみれになりながらしっかり耐えていた。えらい!70m近く伸ばしたところで上部の灌木に届いたようでフォローで登り始めたが、こちらもフォロー中にデカいの一発食らい、ひたすら耐える。体中に雪が積もり、このまま埋まっちゃうんじゃないかと不安になる。12時過ぎにフォローも無事終了点の灌木まで到着し、完登。約5時間の素晴らしい登攀でした。

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フィナーレの長いピッチを快調にロープを伸ばす

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テールリッジの下り

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烏帽子大氷柱を振り返る
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